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たのし屋本舗 下澤敏也さん

生産者の代弁者として三浦半島の魅力を伝えていくことが一番の”ミッション”

京浜急行線・横須賀中央駅から徒歩約8分の「どぶ板通り」に面したところに、なんとも雰囲気のあるレンガ作りの建物が印象的なお店があります。三浦半島の食材にこだわった料理とオリジナルのクラフトビールを提供しているビール醸造施設併設のレストラン「横須賀ビール」です。
こちらのお店をオープンさせた「有限会社たのし屋本舗」代表取締役の下澤敏也さんにお話を伺いました。

横須賀の街並みに憧れた少年時代、改めて知った地元の魅力

賑やかな商店街がある横須賀の追浜で生まれ育ち、近くの裏山で爆竹遊びをするなど活発な少年だった下澤さん。学生時代には多くの外国人が往来する横須賀独特の街並みを好み、その頃には珍しいスケートボードチームを作り流行の先取りをするなどして青春時代を過ごしていく中、サラリーマンではなく自分で何かを始めたいと思うようになっていたそうです。
社会人になるにあたり、約4年間の飲食店での修行を経て追浜の自宅を改装して創作料理を提供する居酒屋を開店するも、これといった特徴を生み出すことが難しく半年で経営難に陥ってしまうことに。そんな時、ふと周囲を見渡してみればそこには三方を海に囲まれ山もあり、それまで意識していなかった美味しい魚や新鮮な野菜といった三浦半島の恵まれた環境に気付いたことが、料理に対する考えが変わり始めたきかっけとなったそうです。それにより、早く横浜や東京に出店したいという気持ちもあったものの、地元ならではの魅力的な食材を改めて知るべく漁師さんや農家さんを地道に訪ね歩くようになったと下澤さんは当時を振り返ります。
新しい人脈作りに対する当時の厳しい風当たりも乗り越え、新鮮な魚や瑞々しい野菜を店で手頃に提供できるようになると、お店に行列ができるようになり活気が付き始め、特に朝穫れのコリコリの魚の旨味は評判が高かったと下澤さんは話します。
まだ地産地消という言葉が世に広まる前の当時に先駆けて、無理に手を加えずとも美味しさを楽しめる良い素材が揃っていることに手答えを感じ、地元の魅力を食を通してもっと広く伝えたいという強い思いが生まれます。

「横須賀ビール」のランチメニューで提供される【地魚刺身定食】。鮮度の良さはもちろん、圧巻のボリューム。
ご飯、あら汁、サラダがついて なんと980円(税抜)。

自分の目と舌で素材を確かめられるよう、三崎漁港(三浦市)、長井漁港(横須賀市)の買参権を取得。今でこそ権利を取得している飲食店は多いですが、当時は制限も厳しく既に漁師さん達と絆を深めていた下澤さんだからこそできたこと。
市場に出回らず当時の多くの人が興味を示さない魚を購入し、漁師さん達も気付いていなかった隠れた魚の美味しさや価値を、料理人としてお客様に伝え広められる程になったことで、信頼は確固たるものとなったのです。

「すべては人ありき」それが「YOKOSUKA PRIDE」

地元の魅力は、生産者や周囲の人達がいるからこそ。 下澤さんは、「コンパクトな横須賀では人同士の距離が近く、農家さんと漁師さんの距離もまた近いことが特徴でもあり、この距離感は様々な人が集まり力強いコミュニティを生み育む強みになっている」と言う。生産者と触れ合う程魅力を感じ、多くの若い元気な地元の生産者と共に「横須賀プライド」を持ってもっと活発に情報を発信していき、今後も生産者の代弁者として三浦半島の食の魅力を伝えていくことを一番の“ミッション” にしていると話します。例えば、お店で料理を提供する際に生産者のストーリーを一緒に添えると、まるで魔法のように美味しさが倍増し記憶に残るといいます。

こうした生産者のストーリーを住んでいる人だけでなく、観光にきてくれる人にも広めたいという思いもあり、2020年3月には横須賀市役所の地下に、「横須賀セントラルキッチン」をオープン。ランチ提供をはじめ、三浦半島産の野菜販売や「生産者の困ったを解決する」がコンセプトの「Co-lab -communication laboratory-(コラボ/コミュニション ラボラトリー)」で加工された商品も販売しています。
鍋で温めるだけの簡単におうちで楽しめる「金目鯛のアクアパッツァ」のキットも購入可能。オリジナルのドレッシング「横須賀野菜ドレッシング特濃たまねぎ」も人気です!
現在はコロナ禍もありイベントは行っていませんが、生産者を呼んでマルシェを開いたりと、みんなが集まれる「食の発信の場」のコミュニティースペースにしていきたいと話し、今後もオリジナルの商品をショップに増やしていく予定で、更なる展開に期待が高まります。

ビールで大人を笑顔にしたい

長年生産者の魅力に惹かれていた下澤さんは、自分も作り手になりたいと20 周年時に地元の素材を活かしたビールの製造を開始。ビール造りのきっかけは、世界一ブルワーが多いアメリカのポートランド州に行った際、ビールを中心に食やデザインが繋がって街が形成されていくのを目にし、それがすごく面白いと感じたからだそうです。ビールが人々の潤滑油となることで「大人がハッピーになれば子供もハッピーになり、街全体が明るくなる」と下澤さん。そういう思いも込めた「DOBUITA HAPPY(ドブイタハッピー)」はこだわりのクラフトビールの中でも一番人気です。
三浦半島の食においてのビジョンはとどまることがなく、「将来的には三浦半島の食材をメインに集めた『食のテーマパーク』を作ってみたい」と下澤さんは目を輝かせながら話します。そこでは、お父さんはビール工場でビール作りを体験し、お母さんはマルシェで農家から新鮮な野菜を直接買い、子供は観光農園で収穫体験をする、家族みんなが地元の食を楽しめる場所をイメージしているといいます。そんなテーマパークに訪れば、家族みんなが笑顔になって子供は明るく上を向くことでしょう。ビールから始まる笑顔の連鎖が世代を超えて続いていき三浦半島の食を中心に笑顔と地元の魅力が詰まった観光スポットが新たに誕生する日が楽しみです。

三浦半島は大消費地に近い大生産地!

近年は有名なブランド食材を高く求めるというより、各産地で採れるそのものの良さがクローズアップされるようになり、そんな意味でも三浦半島は首都圏から一番近く自然が残る産地であり、そこが強い魅力になっていると実感されてるそうです。また、最近は移住先としても注目を集めていることもあり、改めていいところだと再認識。
「生産者に対する強い思いが生まれるのも密接な関係が築きあげれる土地柄があるからこそ。三浦半島が持つ素材の良さとそこに住む人の温かさに触れることによって生み出される食のクオリティーの高さは、自信を持って伝えていきたい」と下澤さんは話す。
三浦半島にはまだまだたくさんの魅力がありワクワクが詰まっている。

約1時間お付き合いいただいたにも関わらず、インタビューを締め括ったあと「三浦半島を語り出すとまらない、まだいけますよ!」と笑顔でおっしゃる下澤さんが印象的で、この生まれ育った場所が本当に好きなのだとと感じた瞬間でした。