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三浦半島はイタリア半島
プロジェクト発案者
料理研究家 長谷川りえさん

異国情緒に富んだ三浦半島の「食文化」を、地域の「魅力」
に昇華

地形や風土、気候から獲れる魚や野菜まで、まるで兄弟のようにそっくりな三浦半島とイタリア半島。そんな両者の共通点に 着目して、三浦半島の魅力的な食文化を世間に広めようと活動しているのが、今年で4年目を迎えた「三浦半島はイタリア半島」プロジェクトです。横須賀在住の料理研究家であり、「三浦半島はイタリア半島」プロジェクトの発案者でもある長谷川りえさんに三浦半島の“食”の魅力について伺いました。

自らのアイデアで勝負したいと飛び込んだ、プロの道

元々、食に興味はあったけれど、特に専門的な勉強をしてきたわけではないという長谷川さん。社会人になり、 入社した会社で大手企業の「商品開発」に携わったことが、この道へと進むきっかけとなりました。
ヒット商品にも恵まれ、充実した会社員生活を送っていた長谷川さんですが、徐々に自分のアイデア通りの商品開発を突き詰めてみたいという思いが強くなっていきました。そんな頃に、ある料理研究家からアシスタントとして誘いを受けたのです。
その方は、TVなどメディアで活躍している有名な料理研究家でした。転職を決めた長谷川さんは、アシスタントとして 新たな魅力を持つ食材探しに奔走する日々を送るようになります。

趣味で決めたはずの移住が引き寄せた、運命の出会い

出身は千葉県という長谷川さん。横須賀で暮らしつつ三浦半島の食材を広める活動をしているだけあって、てっきり三浦半島の食材の虜になって移住を決めたのかと思いきや・・・
「実は趣味がウインドサーフィンでして」と長谷川さん。もちろんお仕事で食材探しをする中で、三浦半島が食の豊かな場所だということは知っていたそうですが、元々は「海と風」を求めての移住だったそうです。
ところが、いざ三浦半島に暮らし始めてびっくり。自分の足で農家さんを回ってみると、そこには三浦半島の特産である 大根やキャベツだけでなく、日本では見かけることができないカラフルな西洋野菜が満ち溢れていたのです。

三浦半島は、食材から食文化までイタリアとそっくり

緑鮮やかなルッコラやまっ黄色のズッキーニを手にとりながら、長谷川さんは、西洋野菜の中でも特にイタリアで獲れる品目が多いことに気がつきます。 調べてみると、三浦半島とイタリア半島には驚くほどの類似点が見つかりました。三方を海に囲まれた土壌。緯度がほぼ同じなため気候も温暖。人の足形をした細長い地形は、まるでロングブーツとショートブーツ・・・。
野菜に限らず、マグロやタコ、イカに青魚など、獲れる魚の種類までそっくりでした。そんな野菜や魚がごく普通に家庭の食卓に並んでいるのです。都市部なら「高級」な部類に入るようなレアな食材が、鮮度抜群のままリーズナブルな価格で。

「三浦半島はイタリア半島」プロジェクトの始動

「食」に関わってきたご自身でさえ知らなかった三浦半島の魅力に気づいた長谷川さんは、このポテンシャルをどうにか世間に広めたいと思うようになります。
そこで発案したのが「三浦半島はイタリア半島」プロジェクトでした。このアイデアが、2016年から神奈川県や域内市町の商工会、商工会議所の「”食”で地域を盛り上げる」取組となることに。そこで長谷川さんは、はじめに三浦半島内の飲食店と協力して地元食材をテーマとしたメニューを考案。
料理研究家のコラボメニューといえば、デパート・コンビニといった流通系や食品メーカーなど、いわゆる「企業」と協働して展開するケースが多いのですが、「三浦半島はイタリア半島」プロジェクトでは、地元の飲食店さんとがコラボしています。これは、自ら厨房で腕をふるった経験のある長谷川さんならではの発想ではないでしょうか。

三浦半島を体感できるイベントには、都市部からも応募が殺到

2018年からは、三浦半島や神奈川県内で開催されるイベントやマルシェにも積極的に出店。「三浦半島はイタリア半島」プロジェクトのプロモーションとして、消費者の方々に直接、三浦半島の食の魅力を体験してもらえるようなイベントも開催されました。
三浦半島の食材を使用した料理教室だけでなく、実際に畑へ行って収穫を体験し、獲れたての食材や生産者に直接触れてもらう体感ツアーや、地元レストランのシェフを交えた料理教室などを開催。これらのイベントには地元の方々だけでなく、回を追うごとに横浜や東京といった都市部からも参加希望が多数寄せられ、募集定員を上回り、抽選になるほどの盛況でした。

コロナ禍でもできること、コロナ禍だからできること

2020年からは、三浦半島の生産者と「三浦半島はイタリア半島」ブランドのオリジナル商品の開発にも着手する予定でした。 しかし、新型コロナウイルスの影響で加工の現場が手いっぱいに。
一方で、飲食店などで使用されるはずだった農産物は行き場を失ってしまいました。
そこで長谷川さんは、横須賀で収穫された地元の野菜のみを使用したオリジナル・サラダのメニューを思いつき、早速、横須賀市内の飲食店に呼びかけます。横須賀で栽培されている旬の野菜を7~8品目に、ナッツやドライフルーツをトッピング。参加店舗ごとにオリジナルのドレッシングがついて、テイクアウトもOKです。

「よこすかパワーサラダ」と名付けられたこのサラダ。目的は、販路が縮小してしまっていた農家への手助けという意味合いだけではありません。主食や主菜だけでは補えない栄養素(ビタミン群やミネラルなど)を、副菜を通して摂取し、免疫力を高めて病気を未然に防ごうという、コロナ禍だからこその試みでもあります。
現在のところは横須賀市内限定での実施となっていますが、いずれは三浦半島全体に広げていきたいとのことです。

生産者と飲食店、そして消費者。
三浦半島の「食」に関わる人々のかけ橋として、今日も長谷川さんはショートブーツのどこかを走り回っています。 これからの目標は、そのトライアングルに地元の加工業者を交えて「三浦半島の食の六次化」を推進していくことなのだとか。 少しずつ「三浦半島はイタリア半島」プロジェクトの認知度は向上していると語る長谷川さん。「継続は力なり」をモットーに、今の時代に即した食の在り方を模索し続けています。

■料理研究家 長谷川りえさんのウェブサイトはこちら

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